レスター・シティは火曜日の夜、プレミアリーグにおけるアウェーのアーセナル戦で2度目となる勝ち点を獲得した。ここではエミレーツの試合から5つのキーとなる話題を紹介しようと思う。
ロジャースの目標は1つ達成した
レスターがどんなプレミアリーグの終わり方を迎えるにせよ、ブレンダン・ロジャースは彼のキーとなる目的を果たした事に満足出来るだろう。
アーセナル戦、84分の同点ゴールは今シーズンレスターがラスト10分で挙げたゴール数が15点となり、リーグトップの数字になった事を意味する。そしてこの時間帯での失点数は僅かに3とシェフィールド・ユナイテッドに次ぐ好成績である。
終盤におけるレスターのゴールは既にリードを奪っている段階で相手にダメ押しという意味でのゴールが多いのは事実だが、このゴールが時に勝負を分け、勝ち点を獲得するようなゴールに繋がる事もある。12月のエバートン戦で決めたイヘアナチョのゴール、9月のスパーズ戦で決めたマディソンのゴール、そして今節のヴァーディのゴールはまさにそれに当たるだろう。
この記録が我々に伝えてくれる事はいくつかある。それはレスターが負ける気は一切ないと言う信念を強く示し、彼らはゴールを求めて最後の1秒まで粘り続ける事である。また他の選手が不安を感じているかもしれない時に、ゴール前では冷静であることと、最後まで走り続けるために、どれだけフィットしているかを示している。
そして、勝利を確実なものにしても、一切手を緩めることのない彼らの冷酷さは、+32という得失点差にも表れている。得失点差というのはレスターがCL権争いを制するのに勝ち点とは別に後押しをしてくれるものだ。このような地道な積み重ねがラスト4試合で大きく勝負を分けることとなるだろう。
シュマイケルはまたしても救ってくれた。
だが、レスターのレイトゴールはもしシュマイケルの活躍がなければ単なる慰めのゴールにしかならないかもしれない。
デンマーク代表GKはアーセナル戦で6本のセーブを記録。これはシーズン全体を通して2番目に多い数字であった。このうち1つはラカゼットのBOX内での低く、鋭いシュートを止めた素晴らしいセーブも含まれる。
シュマイケルはリーグ再開後レスターの中でベストかつ一貫性のあるパフォーマンスを示し続けている。勿論シーズン全体を通しても彼は素晴らしいシーズンを送っている。
ゴールデングローブの争い(クリーンシートの数を争う賞)ではトップを2つ差で追いかけており、リーグの中でもベストなセーブ率を示している。セーブ率では74%を記録し、これはリバプールのアリソンより少し劣る程度である。
シュマイケルのリーダーシップはリーグ再開後段々と明らかになっている。無観客試合では彼がどれだけ他の選手に指示を与え、励ましているのかを聞くことが出来る。もしレスターが来シーズンCL出場権を獲得したなら、シュマイケルの貢献度というのを見落としてはならない。
交代選手の活躍は続く
もう1つロジャースにとってプラスとなるポイントは交代選手による活躍がリーグ再開後も継続している事である。
リーグ中断時においてレスター・シティは交代選手からポジティブな貢献があり、トータルで12ゴールに関与していた。リスタート後もそのことには変わりなく、ここまで生まれた6ゴールのうち5ゴールはなんらかの形で途中交代の選手が得点に関与している。これは非常に印象的なスタッツだ。
そして、またしてもディマリ・グレイは途中交代から活躍をし、若きウインガーはアーセナル戦でヴァーディの左足にピンポイントのクロスを供給した。
もしかすると驚かれるかもしれないが、グレイの90分当たりのゴール数とアシスト数は伸びつつあり、この数字はバーンズ、オルブライトン、ペレス、マディソンを上回る数字となっている。出場時間数の違いもあることは事実だが、最後の局面で何も生み出せないと批判をひっくり返すかのように数字がついてきている。
元バーミンガムのウインガーに課された仕事は彼が出番を得た時に、それまで試合の中で見ることが出来なかったような瞬間を作り出すことだ。
アーセナル戦の勝ち点が良いものだったかは時が教えてくれる。
素晴らしい。活力を与える。重要なものだ。レスターが火曜日の夜にエミレーツで勝ち点を得たことに対して、投げかける3つの言葉をあげるとしたらこのようなワードを挙げるかもしれない。
現実を見るとアウェーのアーセナル戦で敗北を回避したこと自体が直近25年の中で初めての事だ。ましてやミケル・アルテタ率いるアーセナルが公式戦4連勝中だったことを考えれば、これは素晴らしいことである。
だが、アルテタの下で改善したとは言っても、直近25年で対戦した中で今回の戦いは最も弱いガナーズと対戦した1つのゲームで、レスターに取っては47年ぶりの勝利を挙げるには絶好のチャンスであった。
アーセナルがラスト10分までリードをしていたということを考えれば良い勝ち点と言えるかもしれないが、レスターは最後の25分は10人相手のチームと戦っていたのも事実である。
要約するとこの勝ち点が本当に良いものであったかどうかはシーズンが終わってみないと分からない。ただ確かに言えることは、「良い勝ち点」を拾っただけでは、これからのレスターには不十分であるということだ。
チェルシーはとうとうレスターを追い抜き、マンチェスター・ユナイテッドは木曜日の夜には我々と1ポイント差に迫るだろう。そしてそのお隣のクラブは2年のUEFA主要大会出場停止という裁定をひっくり返すことに必死になっている。週末のボーンマス戦は確実に勝ち点3が必要になる。
移籍市場で「不均衡さ」を治すことが必要
年明けにヴァーディとエンデディがケガするまではレスターは選手のケガとは無縁のシーズンを送っていたと言っていいだろう。そして現在はマディソン、チルウェル、リカルド・ペレイラという3人のキープレーヤーをケガで欠いている。
彼らがいないスタメンはCLを争うチームの姿には見えない。選手が変わり、その選手は一定の仕事をこなしているが、トップを争うとなるとそれでは不十分である。
火曜日の夜、ベンチには4人のセントラルMFが居た。ロジャースはセントラルMFのポジションの選手を好むが、これは夏に修正が必要なアンバランスなポジションでもある。
以前はそうでもなかったが今となればその重要性がわかる。レスターにはより多くの攻撃的なオプションが必要ということである。
ペレスは中央で活躍している今、彼らはもう一人のウインガーが必要なのかもしれないが、一方でツートップを継続するなら彼らにはもう1人のアタッカーも必要ということを示唆している。
コロナウイルスの影響がどれだけ経営に影響を与えているかは分からないが、それでも動きが必要なのは間違いないことである。
picture Leicester city gallery
0コメント