新シーズンのプレミアリーグが開幕し、レスター・シティはウェストブロム相手に0-3と快勝した。ここではホーソンズから5つのキーポイントを分析する。
・バーンズの同じ物語は心配不要。
ゴールキーパー正面のシュートが3回。ヴァーディにブロックされたシュートが1回。カーブを巻いて僅かに外れたシュートが1回。新シーズンが開幕したものの、結果はバーンズにとっては馴染みのあるものだろう。レスターのウインガーはザ・ホーソンズで5本のシュートを放った。この数字は両チームトップの数字だったがネットを揺らすことが出来なかった。
実際にプレミアリーグの開幕戦で無得点に終わった選手の中で、バーンズより多くのシュートを打った選手はエバートンのリシャルリソンのみである。この点に関してはBBCのMatch of the Day 2でも指摘されていたが、レスターファンはこのことを既に前から知っている。そして彼らはもしバーンズのシュート精度が上がれば、彼はプレミアの中で際立ったウインガーの1人になれるだろうと思っている。
しかし、バーンズがどれだけチャンスをミスしたとしても、バーンズの存在によってチームは非常に良い面を持っているというのも事実だ。彼の前向きなファーストタッチにより相手ディフェンダーを交わすことが出来るし、猛烈なスピード、プレー予測というのは見ていてワクワクするものである。そして何より重要なのは彼が違いを作るということである。
バーンズの強引なスピードによって、スロースタートな開始25分を過ごしたレスターにとって本来の姿を見つけることが出来た。そしてそのスピードが最初のPK奪取にもつながった。当の本人もシュート精度を改善する必要があることは理解しているだろう。だが、ボールを持った時のプレーレベルが良かった場合には、過剰な心配をする必要はない。
・大人になったソユンクのステップアップ
日曜日の試合前まで、ソユンクがチームの公式戦で最後に出場したのはカラム・ウィルソンを蹴り倒し、退場となったボーンマス戦である。これは昨シーズンチームがCL出場権から脱落した決定的な瞬間であるとともに、軽率な判断をする傾向が根絶されていないことを示していた。
しかしホーソンズの試合でサスペンションから復帰したソユンクは、経験値が欠けていたDF陣の中で重要な役割を果たしていた。4バックにはデビュー戦の選手、本職がボランチの選手、まだ22歳でトップチームで14試合目の出場となる選手が含まれていた。明らかに経験が浅く、急造のバックラインにはリーダーが必要であった。
相棒のエバンスを欠いていたが、ソユンクは成長の一歩を踏み出した。彼には落ち着きがあり、力強く、無謀な行為は見られなかったし、いつも以上に声を出していた。エバンスが戻ってくるまでの間、この守備が続くのであれば大きな問題はないだろう。
・カスターニュに我慢の時間は必要なし
一般的にクラブが他国から選手を獲得した場合には、我慢が必要とされる。クラブに適応するだけでなく、新しい国そのものにも適応しなければならないからだ。だが、ティモシー・カスターニュの場合にはその必要はなさそうだ。
ベルギー人プレーヤーは即座にフィジカルの強さ、無尽蔵のスタミナ、戦術的なプレスなど多くの貢献を示した。クラブはウィルフレッド・エンデディ、ユーリ・ティーレマンス、デニス・プラートなどベルギー人プレーヤーが即座に適応したのを見て、成功への方程式を見つけたのかもしれない。
カスターニュも同様だ。たとえそれが24歳の選手の獲得というレスターでは比較的年齢が高めの獲得であったとしても。彼はロジャースが描いていたクラブが必要とする質を持った選手だ。またプレミアリーグのスタンダートへ持っていく為のコーチングは不要ということも意味している 。
この事実は驚くほどでもない。何故なら彼は4度ヨーロッパの舞台を経験し、トップレベルのキャリアも数年過ごしている上に、代表経験歴もあるからだ。カスターニュの買い物は非常に堅実な獲得であるように思える。
・怪我人の復帰がもたらすメンバー選考のジレンマ
多くの選手が試合に起用できないということは、レスターにとって理想的な開幕ではなかった。だがそんな状況において試合に勝利したことで良いものではあるが、より多くのジレンマを生み出すことになる。
ジェームズ・マディソンはケガから復帰し、途中交代で15分間の出場。もう1週間トレーニングを積めば、来週のホーム開幕戦ではスタメン起用もあるかもしれない。だがここで1つ問題が発生する。それは一体誰をスタメンから外すのか?ということである 。
ティーレマンスは‘ピッチ上のコーチ’ でもあり、彼が生み出すテンポを考えるとスタメンから外すことは考えにくい。そしてデニス・プラートやパピィ・メンディーの出来も良かったし、この2人はベンチスタートには値しない。
もしモーガンがフィットし、エンデディがボランチのポジションに戻るとなれば、メンディーがスタメン落ちとなるのか?それともエンデディは2試合続けてソユンクの相方の立ち位置を確保するのか?
そして更なる未来を考えるとリカルドペレイラが復帰した場合、スタメンの座を掴むに違いないし、彼は間違いなくワールドクラスのプレーヤーだ。しかし、それはカスターニュとジャスティンのいずれかがスタメン落ちということを意味する。
・下がり目のプレシーズンの後に来たブースト
プレミア各クラブのファンがチームの新シーズンに対してどれだけポジティブであるかという調査において、ポジティブな見方をしたレスターサポーターは全体の39%であった。これはリーグ全体で18番目の数字である。
(その調査と呼ばれる奴がおそらくこの画像。調査と言っても方法はシンプルで、「あなたは新シーズンに向けて楽観的?それとも悲観的?」という2択から選ぶものである。)
傍からみればこれは驚く数字である。初めてのヨーロッパリーグもあり、サポーターは新シーズンの展望について胸を躍らせているはずである。しかし、昨シーズンの後半戦の失速による順位の低下、移籍市場での動きが少ないことがファンの感情をネガティブにさせる要因だったのかもしれない。
加えて、サポーターの期待というのは現実的なものだ。 他クラブのファンにとって、昨シーズンより高い順位で終える ことが妥当な目標であることを知っている。レスターにとって昨シーズンの5位より上の順位でフィニッシュすることは他クラブがより多くの資源をもってチームの強化をしているのを見ると難しい。
だが、昨シーズン終盤の出来というのは、本当のレスター・シティではないということをザ・ホーソンズの地で明確に示した。そして開幕戦の出来は間違いなく昨シーズン終盤の時よりも優れていた。またウェストブロム戦での勝利は、1月1日のニューカッスル戦以来となるアウェーゲームでの勝利を意味する。これらのパフォーマンスはシーズンに向けて十分ポジティブな見方に値するものである。
Picture Leicester city Gallery
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